姫路市の沖合約18km、播磨灘に大小44の島々から構成される家島諸島。
その中でも人が住んでいる島は、家島・坊勢島・男鹿島・西島の4島。
「家島」の名の由来は、その昔、神武天皇が日向から大和へ向かう途中に嵐に見舞われ、
この島に避難すると嵐が静まり「まるで家の中にいるように静かだ」と言われたことからと伝えられている。
現在、採石業と海運業、漁業が主な産業で、
採石業は100年以上の歴史をもち、男鹿島、西島で採石が行われている。
古事記によれば、
イザナギ・イザナミの神が、
「天の沼矛(あめのぬぼこ)」で海をかき回し、
その矛先からしたたり落ちた潮(しお)が固まって
島ができた。
これが「オノゴロ島」である。
そしてこの「オノゴロ島」こそ、
家島であるといい伝えられている。
イザナギとイザナミは、オノゴロ島に降り、
次々に島々を生んでいったという。
最初に淡路島を生み、四国、
隠岐、九州、壱岐、対馬、佐渡、
本州の順に国を生み、
これらを大八島国(おおやしまのくに)とした。
この神話に登場した島々が、
この家島諸島を中心に広がり、
今も神話の世界そのままに広がって見える。
家島諸島の中央に位置し、天然の入り江を用いた家島港がある。眺望が見事。
国内屈指の漁師町。
八月の第一土曜には、ぺーロンフェスタが開催される。
採石場の断崖絶壁は圧巻。良質な岩石が採石されている。
夏はマリンスポーツのメッカ。
県立野外活動センター(旧母と子の島)には毎年、たくさんの人が訪れている。
家島諸島に訪れると、島を切り崩し採石される姿には驚かされるだろう。
男鹿島と西島では現在も良質な岩石を採掘しており、用途に応じたサイズに選別された後、主に京阪神に向けて出荷されている。
これらは、その昔大阪城築城に利用され、
現在では、神戸空港や関西国際空港などでの人工島、漁礁等の造成工事を始め、阪神・淡路大震災の復興工事にも数多く使用され、
3年かかると言われた復興期間を1年に縮めるなど、さまざまに活用されている。
そしてこれからも、新たに国土を生み続けていく現代の国生みである。
1583年に秀吉によって築城された大阪城の石垣には、家島の石材が使用されたと記されている。
関空、神戸空港、中部国際空港といった空港を始めとする大型公共工事の基礎となる工事に使用された。
天然礁に匹敵する大規模な魚礁を家島産の石材を用いて造成しています。